古書五車堂さんのこと

ネイロ堂さんにいったときに

「古書五車堂さんがいいですよ。」と教えていただきました。

 

ある日 訪ねていきますと・・・・

店先には 「暮らしの手帖」の古本があります(*^_^*)

期待しながら 中に入るやいなや

店主さんの満面の笑顔です。

 

あれ、初めて入る感じがしません。

本棚にならぶ 本からは

どこか「私たち大切にされていますよ。」という雰囲気が漂っています。

 

不思議な感覚につつまれて

古本のこと 岡山の美術のこと 日本の古い映画のことなど

たくさんのことを教えていただくことができました。

 

お話をするにつれ きっと「この人にはこの本が必要なのではないか。。。」と 気づかれるのではないでしょうか。

お医者さんが必要な薬を処方するように

蔵書の中から ぴったりな本を 処方して(まさに)くださいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このあたりの本がよく出るんですよね。。。。」

 

高峰秀子さん 星野道夫さん 幸田文さんの本がならんでいます。

 

どの本棚にも 手に取ってみたくなるような魅力的な本が

きらりとしていました。

 

そしてどの本も 前の持ち主さんにも大切にしてもらってたんですよ。。。。。という顔をしていました。

 

不思議なのですが、本が纏ういい気にふれて

それから 店主の中川さんの人柄に すっかり癒されてしまったのでした。

ほんとに。

 

  

「本の魅力はなんですか。」の問いかけに

中川さんは 一冊の本を手にとられてから

ていねいに お話をされました。

 

「本一冊でも・・・・

たとえば 装丁もさまざまですし、

余白を多くとって 行間をどうするか   によっても

全く読みやすさや印象も違います。

それに この字とこの字(2冊を比べて)

同じように見えても 字体がちがうんですよ。

紙の質を どうするか・・・・もありますね。

 

手もとに残る本は 電子本とはちがって

一冊の中に 幾人もの職人の仕事によって成り立っているところも 魅力のひとつですね。」


本当に 本がお好きなんですね。


お店には

日本文学のほか

岡山史にまつわる本の棚

たくさんの美術書

民藝の本

デザインの本

書道にまつわる本

婦人の友の古いバックナンバー などなど 

 

きっと 相談してみたら ぴったりな一冊に 引き合わせていただけると思うのです。

 

そんな あたたかい空気に満ちる 古書五車堂さんなのでした。

 

今度は、「ほんのお通し」を書かれている のんさんに会いに またお店にうかがいます(*^_^*)

 

 

本棚を撮らせていただきました。

 

 

 

 

さて、

中川さんに引き合わせてもらった本は・・・・

 

「ひまわり」復刻版 田辺聖子監修

 

お正月のあいだ 考えてから 決心して 後日「ひまわり」を迎えに行きました。

昭和22年当時の少女の気持ちに思いをはせています。

その時代の空気を感じることもできて新鮮です。

また、赤毛のアンの翻訳家 村岡花子さんもコーナーを連載されているので、当時そのままの文章も旧仮名遣いで味わうこともできて ちょっとした時間旅行です。

 

内容は 「本当の友達」とはどんなか・・・

ご自身と白蓮さんのことかな。。。と想像しました。

 

「女性も権利を主張してもよいのです」など・・・・

時代の思想を感じますし、今悩んでいることなどは

とても古い考え方だったのかも・・・・と気づくきっかけになったりもしました。

 

このあたりは また別の機会に・・・・