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勝手な感想をのべてしまう 勝手な映画のページになりそうです。
公開年 1949年
監督 小津安二郎
脚本 小津安二郎 野田高梧
出演 笠 智衆
原 節子
月丘 夢路
杉村 春子
北鎌倉の閑静な暮らし
一人になってしまう父を心配して お嫁にいこうとしない娘を
安心させるため、自分も縁談がまとまるからとうそをつく父。
原 節子の初小津映画出演の作品です。
こののち「麦秋」でも なかなか結婚に踏み切れない娘「紀子」を、「東京物語」では戦争未亡人の「紀子」を演じ、「紀子三部作」と呼ばれるこの3作品で 小津のミューズになりました。
この映画を観終わって 私は親子というよりも親子以上の深い愛情を感じてしまいました。特に紀子の父親への想い。「執着」。
「嫉妬」などは 恋人を誰かに奪われてしまいそうな狂おしい感情をあらわしているように思えました。
笠智衆の言葉少なく 喜怒哀楽が顔にでない演技がたまらないのですが、娘の友達からほっぺにキスされるシーンでは、「え、これってアドリブだったんじゃ・・?」と思えるくらいに 笠さんが照れるんです。その笑顔がかわいくて キュンキュンしてしまいました(笑)
そして、いつも小津作品を観て面白いなと思うのが 「ことばづかい」です。
紀子が父の知り合いとバーでかわす会話では、再婚したことを知らされた紀子が、「おじさま 不潔よ」と言い放ったりします(笑)
父の「いいよ。いいんだよ」と同じ言葉をくりかえすところなど・・・・。
なんともいえない 穏やかな間がうまれて心地いいんです。
ああ、素敵な時代の映画です。